平成31年のねじばな便り(雑記) 有峰森林文化村新聞まとめ

有峰森林文化村新聞http://www.arimine.net/annai/newpaper.htmは、有峰森林文化村が発行しているニュースペーパーですが、改行も読みにくいし、索引も分かりづらかったり、続けて読みにくいという欠点があるので、少し纏めてみています。

今回は、元祖編集長中川さんの雑記録を取り出してみました。
左翼っぽい言葉も様々出てきますが、書いてることは良いこと書いてますよね。

~令和元年5月17日 資源ごみを捨てた快感を俳句で表現したい

 物理学の言葉として、エントロピーがある。エントロピーとは汚れ、と考えてよい。エントロピーが増える原因は、摩擦と拡散である。すべての系は、エントロピーが増え続ける。これが熱力学第二法則である。
 玄関を例に説明する。ほおっておいたら、靴は乱れ、ほこりはたまる。エントロピーがたまるのである。それを、人間が、ほうきで掃除し、床を雑巾がけし、靴を下駄箱にしまう。玄関だけならエントロピーは減る。バケツに入った雑巾と汚水は、人間によって玄関の外の水道のところに運ばれ、汚水を捨ててきれいにされる。ほうきで掃かれた綿ぼこりや砂は、玄関の外に捨てられる。人間は呼吸するので、呼気に水蒸気が含まれ、生きていることによる熱も水蒸気に乗せて放出されている。さらに言えば、人間が掃除すると、いくばくかのウンコとオシッコが体内にたまる。
 玄関とその外の空間を合わせて考えると、全体としてエントロピーは増えている。玄関が完全密閉空間であって、そこに酸素、食料、水が十分にあり、人間が閉じ込められていたとする。外部との熱交換もないとする。一日たてば糞尿まみれの熱い空間になる。外にエントロピーを捨てることができないので、閉じられた中でエントロピーが増えている。密閉を解き、地球全体で考える。綿ぼこり、砂、ウンコ、オシッコの水分子以外のものは、田や畑を経由することもあるとはいえ、結局は海に行く。水はそれらを乗せる媒体として、大活躍する。水はもちろん海に向かう。トイレのウンコとオシッコを、水以外を使って処理場に運ぶとしたら大変である。水さまさまである。海は老廃物でいっぱいになっていく。すなわち、エントロピーが海に集まっていく。
 ここから先は、槌田敦著「石油と原子力に未来はあるか」212ページを引用する。
::: 地球には重力があるので、物体は地球の外になかなか飛び出せない。したがって、エントロピーを物体にくっつけて捨てる機構はない。そこで、エントロピーのあるエネルギー(つまり熱)として、地球はエントロピーを処分している。
 地表の活動で生じたエントロピーを水が受け取り、水は水蒸気になる。この水蒸気は上昇気流に乗って大気上空に運ばれる。この時、気圧が下がるので断熱膨張によって温度が下がる。およそ絶対温度250度になったところで、水蒸気の分子運動は赤外線を宇宙に放射する。これがエントロピーを捨てる機構である。低い温度で熱を放出することは意味がある。それは同じ熱量で余計にエントロピーを始末できるからである。
 エントロピーを捨てた水蒸気は氷粒になり雨や雪となって地上に落下し、再び地上でエントロピーを吸収して水蒸気になるサイクルをくり返している。つまり、この水サイクルは地球の掃除人といっていいだろう。:::
 エントロピーの小さいものを、資源と言う。鉄鉱石には、鉄酸化物が高濃度に含まれている。不純物が少ないので汚れが少ないといえる。すなわちエントロピーが小さいから資源である。学校の砂場にもたくさんの鉄が存在するが、濃度が低いので資源ではない。石油も石炭も資源である。しかし、これらの鉄や化石燃料のエントロピーが大きくなると、再び小さくなるためには、生物による濃縮・海の隆起など、膨大な時間が必要である。
 有峰ダムにたまった水は、エントロピーが小さいので資源である。ダムの水が鉄管を駆け下りて水車を回し、エントロピーの低い電気という資源をつくる。水が流れ着いた先の海での水は資源ではなくなっている。ところが、水蒸気となり上空で水滴になり、ようやく低いエントロピーに戻る。この水のエントロピーサイクルは、鉄などのサイクルと比較にならない高速度で回転している。このことから、水は更新性の高い資源といえる。鉄鉱石、石油石炭というエントロピーの低い資源が産出する国は、定期預金を食いつぶしているようなもので何百年も続かない。雪や雨がどれだけ降るかどうかが永続性のある資源国であるかどうかの分かれ目である。周囲を海に囲まれて、年間降水量が多い日本、とりわけ、雪のたくさん降る富山県は、資源に恵まれている。
 燃えるゴミ、不燃物との分別をし、決められた日にそれぞれのゴミを持ち込むとすっきりする。これは、体の中のエントロピー(汚れ)を捨てた快感と同じ快感である。オシッコやウンチの快感を表現した俳句に出会ったことがないように、分別したゴミを捨てた快感を表現した俳句を見たことがない。昨今、幼児にウンチネタが、大うけである。このことに大きなヒントがあるのに。
 元気という言葉がある。これは、増大したエントロピーを捨てるサイクルと、隣り合わせの言葉である。日本の神道は、玄関をほうきで掃除するように、エントロピーを外に吐き出すことに着目した宗教である。なんとなれば、「払えたまえ、清めたまえ」だからである。「払えたまえ、清めたまえ」は、システムの恒常性のサイクルの別の表現である。近いうちに、汚れを捨てた生の喜びを表現した文学や音楽が、登場してくるに違いない。そんな文学や音楽が登場してこなければ、経済成長主義の暴走を止めることはできない。

~平成31年4月18日 自燃型・可燃型・不燃型・消火型と有峰~

 山田大介(みずほフィナンシャルグループ専務執行役員)という方が、取材を受けてこのようなことをおっしゃっていることが、インターネットで検索すると出てくる。
:::
 ビジネスパーソンっていうのは、だいたい4通りに分かれると言われますよね。ひとつは「自燃型」。放っておいても自分で燃えてくれる。次が「可燃型」。火をつければ燃える。次の「不燃型」はいくら火をつけても燃えてくれず、さらに「消火型」っていうのは、火をつけているのを消してしまう。銀行っていうのは、どっちかっていうと石橋をたたいても渡らない、不燃型が多いと一般的に言われています。それから「リスクがあるから」っていって、寄ってたかって火を消す消火型も。これからの時代、不燃型と消火型が多い会社っていうのは、なかなかうまくいきづらい。せめて可燃型、できれば自燃型がもっといてほしい。
:::
 面白い視点だ。確かに、身の回りを見渡すと、不燃型・消火型の人が多い。しかし、不燃型・消火型がいつも悪いわけではない。1941年12月8日、日本軍は真珠湾を奇襲攻撃した。ところが、その冬、ソ連に攻め込んだドイツ軍が大敗北を喫したのである。日本は、ドイツがヨーロッパで勝つことを前提に戦争を計画していたのである。もう3月待っていれば、アメリカを第二次世界大戦に引っ張り込む真珠湾攻撃は自重したかも知れない。冷静さが必要だったのだ。しかし、日本は負けない国だと多くの人が信じていたのであり、その妄信に対して冷静なことを言おうものなら、非国民扱いされた。その2年前、ノモンハン事件でソ連軍に手痛く負けたにもかかわらずである。
 人間だれでも、自燃型・可燃型・不燃型・消火型の要素は、各自の中にほどほどに配合されている。それをうまく引き出し、コントロールできるかどうかが、職場・地域・学校・家庭・国家などの運営の分かれ目だ。それは競馬でも一緒である。馬が興奮して暴走することを引っ掛かるという。引っ掛かっては絶対に勝てない。騎手が馬を手の内に入れて、瞬発力を貯めておき、いざというタイミングで脚を使わないと勝てない。
 じゃあ、どうやって、各自の中にほどほどに配合されているはずの自燃型・可燃型・不燃型・消火型の要素をうまく引き出すか。
 有峰村仕事の集いで考えると集まる人たちは、みんな自燃型・可燃型に思える。有峰から帰って、お家に戻り・学校に戻り・職場に戻った時、不燃型や消火型の比重が高まるのであろうけど、7月の二日間は、みんな自燃型・可燃型。
 そう考えてくると、有峰での時間は、大人にとって、自分の中の自燃的・可燃的な性分に気がつく貴重な時間、自分に自信を取り戻す時間と言ってもよいのではないか。そして、大人のそういう姿を見ることは、未就学児や小学生、大学生にとって、他では得がたい、学びの場になっているのではないか。
 そういう場を提供してくれる有峰に、改めて、感謝したい。

〜観光振興の危うさ~ 平成31年2月14日

 ある組織と対立するもう一つの組織を置くことによって、全体の組織の安定を図るというのは人類の知恵である。刑事裁判では、検事と弁護士がそれぞれの主張をし、裁判官が判定する。戦前の日本軍は、陸軍と海軍が対抗しており、それはそれでよかった。敗戦間際、陸軍と海軍を一本化したらどうかという提案が、陸軍からあった。もし、そうなっていったら、1945年8月の敗戦はなく、戦いは続き、日本が連合国に分割されていた可能性が高い。国会・地方議会を問わず与党と野党の対立は重要であり、政権をチェックするマスコミの存在は社会の安全のために不可欠である。それらがない国家は危うい。
 その考えをおしひろげていくと、今日の観光は危うい。観光振興を唱えれば選挙で票になるし、郷土に誇りをもとうとアピールできることから、「観光に、そこまでしなくてもいいじゃないか」という政治家はいない。テレビ番組の旅先での「うまーい」を、私たちは毎日うんざりするほど見ていることからわかるように、観光振興はマスコミの飯のタネである。
 観光の危うさは、カジノにとどめを刺す。政府は、カジノを観光のためにしようとしている。誰が儲かるかといえば、外国の資本であると言われいてもおかまいなしである。観光は、「お金を落としてもらおう」という魂胆から離れることができない。パチンコや競馬がマスコミの広告としては重要だから、マスコミは、カジノに否定的ではない。
 ところで、深田久弥の「日本の百名山」の中で、立山は「山上遊園地」と書かれている。深田久弥が、立山の俗化を嘆いての表現と私は読む。
 私が有峰森林文化村を構想した時、北陸電力の社史「有峰と常願寺川」の中から、「俗化させず大衆の山とする」という言葉を発見した。この社史を編集したのは、山森直清さんである。さらに、文献を探すと、「俗化させず大衆の山とする」とは、昭和30年代の富山県民の合意であったということがわかった。「俗化させない」と「大衆の山」とは、一見、矛盾する。しかし、「俗」と「聖」との違いは何か。「大衆」とは大乗仏教的な大衆と解釈したほうがよいのではないかと考えていくと、「俗化させず大衆の山とする」は、たいそう高遠な挑戦を語っている。少なくともそこには弁証法がある。
 今日、観光振興に対して、これでいいのかというブレーキをかける組織を、政府・自治体・議会・マスコミ・経済界に見出すことができない。このことは危険である。彼らの観光振興の第一の指標は、入込数である。来た人の数である。感動の高さ低さは度外視。しかし、自然を壊したり、清澄な雰囲気を失うとリピーターは来なくなるのであり、入込数を減らさないために無限のPR活動を展開し続けなければならなくなる。「この場所は、素晴らしい所だけど、車で来やすくしたりすることなく、このまま不便な状態で、将来の人に取っておこう」という抑制が働くことはほとんどない。
 昭和30年代の富山県民の合意であった「俗化させず大衆の山とする」を目指した有峰森林文化村の意義は、今日、ますます重要となってきている。このことは、猪根山遊歩道のブナの落葉をかさかさと踏みながら歩く人々、冷タ谷キャンプ場でベンチに腰かけ弁当を食べた人々には、きっと共感していただいていると思う。

ところで、有峰とは?

さて、
  • 有峰林道(ありみねりんどう)
  • 有峰森林文化村(ありみねしんりんぶんかむら)
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って知っていますか?

富山県の南東部にある、有峰湖はどうですか?
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こんな湖があるところです。

知らないとは言わせませんよ。
日本地図にも載っています。
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ほらね。
  • 黒部ダムよりも湖の体積は大きく富山県1の大きさを誇るダム湖
  • 富山市民の水道の水源
  • 北陸電力最大の水力発電所
なんていう結構すごい湖です。

そう、そんな有峰湖へ通じる大規模林道とその周囲に広がる公園が有峰です。

歴史は古く、大正8年、水害に悩まされていた富山県が、「災い転じて福と為す」ために始めた常願寺川の開発事業の一つで、紆余曲折があり最終的には戦後北陸電力が世界銀行からお金を借りてまで作り上げた、有峰ダム
今でも富山県が北陸電力の大株主なのはそういった関係があるからだとかいう話もあったり、この有峰の運営も富山県と北陸電力がお金を出し合って運営しているという、興味深い土地です。

毎年6月1日から11月12日までの間、
  • 普通車1900円
  • バイクは300円
  • 自転車ならば無料
で林道内に入れます。

普通に行っても楽しめますが、お得なイベントも開催されていますので、そういうときに行くのもいいですね。



有峰ハウスの宿泊予約はこちらからがお得です♪
有峰林道の公式情報は

通行止等の情報は
http://www.arimine.net/toll_road.html

フェイスブックページもあるみたいですよ。
https://www.facebook.com/ariminet/

有峰について学びたい方はこちらの書籍も読んでみては?

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上の写真は猪根山遊歩道のカラマツ

有峰から登れる山は?

有峰の折立と言うところは、黒部川源流の山々への最短ルートの登山口となっています。
その中には日本百名山の薬師岳なども含まれていますよ。

ぜひ来てみてくださいね。

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使ってみてくださいね。

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幼稚園の頃から夢は「のんびり暮らしたい。」
仙人のような暮らしを夢見て、日々、遊んでいます。
記事を読んでいただきありがとうございました。


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