~コンピュータが考えるわけじゃない。人間がかんがえるんだ。~ 平成広徳塾 第9期 第7回講義(最終回)

平成広徳塾
http://webun.jp/card/5015

とは、【富山の未来を担う若い世代を育てよう】と富山県では販売部数ナンバーワンを誇る北日本新聞社が企画して毎年行っている企画で、旧富山藩にあった藩校、広徳館の名前を模して開かれているものです。

県内の20代を集めて、県内出身の著名者たちの講演を聞かせ、富山を担うリーダーを育てよう!というものですが、10年ほど前に外務次官などを務めていた谷内正太郎氏がなにかの折で来県した際、
地方の新聞社というのは、そういう地域を育てていくということ、教育なんかも仕事なんじゃないのか?
と言われて始まったものだそう。
今年で9回目ですが、来年には平成も終わりますし、実は今年が最後だったりして??と思ってたら、卒塾式で来年は10期生を集めて節目となる年にやって行きたい。とか言ってたので続くみたいです。【平成】なんですかね?

第7回講義① 中村利江氏 「~社員の仕事は考えることだけ。~」

夢の街創造委員会】という株式会社を知っていますか?
なんか地域おこし的なことをしてるんだとばっかり思ってましたが、リクルートの出身者が起業して作ったベンチャー企業なんですね。今はジャスダックスタンダードにも上場
【JQS:2484】
している企業ですが、今の社長をしている中村さんが、最初に銀行にお金を借りようと思った際、
  • 女性が社長をしている
  • 社名が怪しい
そういう理由をつけられて、20件30件の銀行がことごとくお金を一銭も貸してくれなかったそうです。でも、株式市場に上場した途端に、みんなが手のひらを返して、
  • 何て言う素敵な名前の企業だ!
  • これは成功する!
  • 是非ともお金を貸させてください!
なんていくつもの種類の銀行の社長たちが、訪れてきた、なんて話を聞くと、おかしな世の中だなあと思いますが、それが現実なんでしょう。

そしてその夢の街創造委員会と言うものが何をしているか、と言うと【出前館】というアプリ、サービスを提供しているそうです。ご存知ですか?

出前館公式サイト
今いる場所の近くの店から出前を注文するネットサービス、ECコマース、ですが
  • 豊富な店揃え(近隣30店舗以上)
  • 豊富なジャンル(和洋中のほか様々な店)
  • 最速何分かが分かる
  • 届く時間順にソート可能
  • 安さでのソートも可能
  • 注文品の数も豊富
  • オーダーメイドな注文可能
  • 様々な付随オプション
  • ネット決済、小銭いらず
と言う、聞いてるだけで使いたくなってくるようなサービスです。

dデリバリー

とも連携している、と言うかそっくりそのまま運営は夢の街創造委員会で、集客等だけがDocomoらしいです。Amazonとか、LINEとも提携してやっていて、相手の看板を利用しつつ自分のところでも利益を出し、相手と収益を分け合う形になってでも、敵対会社となって同じ業態に進出するよりも、味方につけておいたほうが後々の自社の利益にもなる。強豪となり得る潜在的大手ライバル会社を最初に取り込む。って話が面白かったです。虎の威を借る狐という話ではないですが、競合ライバルを最初に潰すと言うか、味方につけて、大手企業の裏で暗躍する。素晴らしいですよね。

この出前館、ネットを使っているんですが、そこでアクセスできるのは日本全国、ではなく、地域の半径数kmの店舗だけなんだそうです。新しいですよね。ネットというと、全世界に向けて発信!なんてのがクローズアップされますが、逆に身近なところにこそ、そう言うビジネスチャンスと言うか、改善の余地が山のようにあるんですよね。
また、30種類以上の店舗がないと、ユーザーは満足しない、ということで、それ以上の店舗を確保すべく、いろんな営業活動も行っているそうです。年商が900億だとか言ってたかな?そこまで来ると、自社のサービスをビックデータとして解析をかけることができるようになったそうですが、店舗数が足りないようなところで
  • 既存店舗と競合しない別ジャンルのお店
  • デリバリーを今までしてなかったが美味しいお店
  • 客が求めているお店
を開拓して、新たに配達をしてもらうのではなく、【シェアリングデリバリー】という仕組みを新しく作り出したんだとか。
人手不足の現代ですが、人も、運ぶ機材も余っている業界があります。それは何か。新聞配達員だそうです。
だんだん
  • 新聞購読数も減っていく、
  • 人口も減っていく、
  • どんどん仕事が減る
にも関わらず
  • 全国にどこの田舎にでも配達所がある
  • 地区の住民の居場所を知っている
  • 効率の良い配達ルートを熟知している
そういう人たちに、出前を一緒に頼む事によって、
  • その人たちもお金が手に入る
  • 出前なんてやったことがない店舗も出前ができる
  • どこかに行かなければ食べれなかったものが出前で食べれる
全員が喜ぶ。本当に素晴らしいです。
そして、そういうことをした結果として、今までの加盟店の売上が落ちるのではなく、逆に客がより出前を利用するようになって、収益が上がるんだそうです。まぁ、近所のスーパーだとか、弁当販売量は落ち込む気もしますけどね。
でも、新たに出前を始めた店も、来ていた人が出前に変わるのではなく、今まで食べたこともなかった人が出前で触れ合うようになる。客層が増える。と言うことで、ほんとに関係するみんなが喜ぶ、そういう仕事になっているようで。
田舎に行けば行くほど、お年寄りも増えます。高齢化も進展しています。今でも、各業者業者が宅配してお弁当を配達していたり、生協さんに頼んだり、なんだかんだというころで、いろんな人が同じ家に何回も配達に行くという効率の悪いことがあります。
が、こういうシェアリングデリバリーという形で、いろんなところのものを集めて、
  • 毎日何時に家に品物を届ける。
  • 朝昼晩届けて廻る。
そういう巡回ができるだけで、随分と世界が変わる気がするんですよね。郵便だって1日に5回も6回も来たりするのではなく、再配達でも選べるのではなく、例えば
  • 朝昼晩の3回
  • 朝1回
  • 夜1回
  • 何曜日の何時に1回
  • 家の何処かに置いておくだけでいい
とか、確実にこの人が家にいる時間に回ります、というのをシステム化して決めてしまえばすごい便利になるし、受け取る側も楽だと思うんですよ。大抵の人の生活リズムなんて決まってますからね。何時から何時の間2時間とかではなくて、毎日何時丁度とか、そういうピンポイントで。
3交代制とかで時間がはっきりしていない、とかそういう人もいるかもしれませんが、そういうのも何かシステムに入力しておくだけで
今いないんだなというがわかる、それが個人情報だとかいう話もあるかもしれませんが、そういうのも含めてでも、便利になるというところはそういうところにあるのかなという風に思います。

また、面と向かっての対面や電話の注文だと気が引けて我儘な注文はできませんが、ネット上で気軽にオプションを増やすことによって、客単価も上がるし、販売する側は客が本当に喜ぶものを知ることができるし、お客さん自体もわがままができて喜ぶ。本当に素晴らしい仕組みです。

日本の飲食店が儲からない理由は、
  • 料理の材料などの原価がそもそも高い
  • システム化がされていない。
と言うところにあるそうです。
こだわりの商品を使った、こだわりの料理なので、それが世界中で見ても平均的に美味しい料理が味わえる、という日本の飲食業界の素晴らしいところではあるんですが、そう言う理由もあり、利益率がものすごく低いらしいですね。
また、全くシステム化がされていない。と言うのは、料理を作るのは作るんだけれども、その料理を上手な人が、他の作業も全部手作業でやろうとしているので、すごく効率が悪い。料理にも集中できない。と言うことがある。そういう手作業でやってるけれども、本当はパソコンにしたら、システム化したら、すぐ終わるような作業をIT化するというのは.絶対に儲かるところなんですよ。みんなが得をするんです。
  • 作る方も作るだけになって、より質の良いものができる
  • 注文する方もより便利に注文ができるし、美味しいものが食べられる
  • 運ぶ方も新しい仕事ができて儲かる
誰も困らない、素晴らしいサービスだと思います。
宅配事業はこれからもどんどん拡大して行きますが、外食産業全体では衰退していきます。でも、ネットを使ったもの、IT化されたもの、というのは、どんどん便利になるので、地方にも拡大していきます。

仕事が減って、楽になって、さらに儲けも増える。それがきっと一番良いイノベーションで、全ての人が得をする。そういう技術革新っていうのが本来必要なんでしょうね。
ここの社員は90人しかいないと言っていましたが、社員がやる仕事は【考えるだけ】。他のルーチンワークや定型業務、そういった体を動かせな部分については、アウトソーシングという話をしていました。それを下請けに出される企業はどうなんだ、という話もありますが、まあそれは時給で働く人のする仕事なんですよね。創造的に働く人と働かされてる人の求められてる働きは、やっぱり全然違うんですよね。

第7回講義② 永原功氏 「自分の頭でものごとを考えよう」

控えめに言って、おぞい爺ちゃんだなぁ、という印象しか持たなかったんですが、北陸経団連の名誉会長ということで、毎年トリを務めているという話だったので、9年前はまだしっかりしてらっしゃったのかなぁ。こういう講義は、毎年同じ方から聞いているとそのうち年をとって、時代の流れに追いつけなくなってしまうってことがありそうだと思うんですけどどうでしょうか?
まぁ、時代が変わっても、やるべきことはあまり変わってないはずなんですけどね。

自分でものを考えてほしいということが、一番伝えたいところだそうで、ネットやマスコミは、自分の代わりに、考えてはくれません。何か教えてくれるだけ、しかも表面的なものを煽って煽りまくって、そういうセンセーショナルなのものだけをばら撒きます。
  • 辺野古の移設問題
  • 築地の市場の移転
  • 憲法改正について
  • 原発について
全部そうです。本当に皆さん、自分の頭で考えていますか?マスコミが、一部の人が、わーっと言ったことをそのまま信じて、何の元々の脈絡も、文脈も、原因も、一切考えずにそれは悪いって言ってるだけじゃないんですか?それまでの歴史、紆余曲折、やり取り、そういうことも全部考えて言わないとダメなんだと思うんですよね

この人は、3.11東日本大震災の時に社長をしていたそうです。その当時、みんなが一番心配したのは、女川原子力発電所。次は東海、そういうところはちょっと危ないかなと思っていたんですが、それは全然大丈夫だった。しかも福島も含めて、地震ではなんの損傷もなかった。やっぱり原子力発電所はしっかり出来ている。と、思っていたところでの、福島がアウトだったんですが、今考えてみれば、東北電力網から電気を融通してもらうとか、発電機を総動員するとか、そういういろんなことができたはずなのに、原子力関係の人というのは自分たちだけでなんとかしようと思って考える、自分達は一番優秀なんだと思ってやっている。それが一番駄目なんじゃないか。という話がちょっと興味深かったです。

また原子力発電所を世界で本当にゼロにしているのは、日本だけ。他の国はゼロにすると言っていても、送電線網を使ってよその国から輸入したりもできます。でも日本は、外国から電気を輸入することはできません。そんな中で、しかし需要だけはしっかりとある日本の中でどのようにしていくか、なんてことは、しっかり考えていかなければいけないことだと思います。

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